[認知症]ひとり暮らし、そのリアル。訪問介護で見た、Aさんの壮絶な日々

いますよね、ご近所にも。
支援させていただいている方の中にも、認知症を患いながら
一人暮らしをされている方が何人かいらっしゃいます。

ひとり暮らしの認知症Aさんの場合

その中でも特に印象深いAさんのことをお話しさせてください。


Aさんは70代後半の女性で、昔は責任ある立場で精力的に仕事をされていたそうです。
初めて訪問した頃、Aさんはまだご自身で食事の用意をされることもありましたが、
次第に 症状 が目立つようになりました。
鍋を真っ黒に焦がしたり、炊飯器が使えなくなって故障と思い込み、新しい炊飯器を購入されたり。
洗面所の電気のスイッチが見つからず、電気屋さんに連絡することもあったそうです。
真夏にエアコンが暖房になっていることに気づかない、洋服の片付けがだんだんできなくなる、
といった状況でした。

それでも、体調面は比較的安定しており、毎日体操に通い、
ゴミの収集日にはきちんとゴミ出しもされていました。
歩行もしっかりしていて、自転車で買い物に行くこともできていたんです。

認知症の進行

しかし、徐々に幻視が見られるようになり、支援中にも誰もいないはずの隣の部屋で、
まるで誰かと話しているように 会話を始めるようになりました。
「ゴミ箱の中にうさぎがいる」と言ったり、
食べたばかりの食事を忘れて「まだ食べていない」と言ったりすることも日常茶飯事でした。
訪問すると、家中の照明、階段、風呂場、すべての部屋の電気が点けっ放し。
洗面所とお風呂の水も出しっぱなしになっていることもありました。

夜中には徘徊してしまうこともあり、ご近所の方が心配して、
別居しているお子さんに連絡されたそうですが、対応してもらえなかったと、
後日ご近所の方から直接、報告をいただきました。

服装もだんだんおかしくなってきました。服の組み合わせや着る順番がめちゃくちゃになってきたのです。


Aさんはとてもおしゃれな方で、 いつも 美容院で髪をきれいにされていたのですが
ある時、椅子に座っていらっしゃる ところ後ろから見ると。
髪が薄くなり、頭皮が透けて見えるようになっていたものですから・・・
後頭部に何か 奇妙 な陥没があることに気づきました。


まるで板にタボを入れるための穴のように、ポコっとくっきり凹んでいるのです。
腫れや、色の変化は無く、痛みもないとのことでしたが、一体何なのかと 本当 に驚きました。
手術痕なのかもしれませんが、真相はわかりません。
事務所にも報告しましたが、はっきりとした答えは得られないままでした。

手術で頭の骨に穴を開けたあとなのかもしれない・・・と想像しています。

そんなAさんも、ついにグループホームに入所されることになりました。認知症による幻視はありましたが、もともと人当たりの 柔らかい方だったので、グループホームでは職員さんや他の入所者の方々とも
問題なく過ごされているでしょう。

Aさんのケースを通して、改めて「認知症の方の ひとり暮らしは本当に難しい」と痛感しました。
身体的 は元気でも、認知機能の低下によって日常生活に支障が出てきてしまう。そして、
それは 周囲の方 にも 不安 や負担をかけてしまう。
Aさんの場合は、幸いにも安心して過ごせる場所が見つかりましたが、 孤独な高齢者が皆、そう簡単にサポートを受けられるわけではありません。

認知症の方を 支援することの難しさと、地域社会全体でどのように支えていくべきか。
Aさんのことを思い出すたびに、考えさせられます。

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